サブウェイ

「サブウェイ」山田正紀
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ここは常識的に、どうやって死んだ人に会うのよ、そんなこと知ってるわけないよ、と相手を突っぱねるべきだろう。(略)しかし(略)和美は言う。

 物語の恐怖を二つに分類するならば、登場人物の意図によらない恐怖/登場人物の意図が起こす恐怖、となるだろう。これは後者のそれであり、観客は「もう何やってるの。そんなことしたら大変よ!」という視線で登場人物の余計な行動を見つめる。この点でホラーとコメディは視点が近く、失敗したホラーが笑えるのはそのためである。それでは失敗したコメディが怖いのかというと実はその通りであって、欽ちゃんの失敗したコントは見ている方が逃げ出したくなるほどの恐怖を与えてくれるのであった。そして失敗したホラーが笑えるという例はこの本の中にも見受けられ、

これはエスカレーターではない。むしろデスカレーターと呼ぶべきではないか。
escalator......。deathcalator......。

 何のつもりかと言いたい。