なぜ私たちは選挙に行ったほうが良いのか? 〜初めての選挙入門〜

今週の日曜日は衆議院議員選挙の投開票日ということなので、選挙について書きます。

選挙ってまあ、ちょいちょいあるじゃないですか。ぼくらはその度に誰に投票するかとか、今回は面倒だからわざわざ投票行かなくて良いかなとか、考えたりするわけです。鬱陶しいですよね。こちとら必死こいて働いて税金払ってんだから、そっちの仕事はお前ら政治家がちゃんとやっとけよと思うわけです。何を手間かけさせとんねんと。うまいことやっとれやと。でもまあ、実際には、そうそううまくはいかないわけです。

選挙というのは一般企業に例えると、というか政治家というのは一つの職業でしかないから一般企業に例えることが出来ないといけないわけですが、言ってみればリストラのようなものです。当選者を決めるのではなく、落選者を決めるのが選挙の本質です。こいつ仕事やってねえなとか、こいつに任せると会社が傾くなとか、そういう人にポジションを与えないという権利の行使が選挙です。だとするとまあ、選挙の意義は分かります。自分が知らないところで自分の会社が誰かのせいで潰れてしまうのは、あまり望ましいことではないでしょう。

だけどいつだって、選挙は唐突に始まります。特に総理大臣が解散権を持っている衆議院の選挙はいつでも。急やな、という話ですよ。お前らは年がら年中政治のことばっかり考えてるからええわ。でもぼくらはいつも日々の暮らしのことを考えているわけですから、いきなり言われても戸惑うわけです。突然「アベノミクスは是か非か」とか言われても、ねえ。知らんがなと。お前らずっと好き勝手やってたんちゃうんか。国民からの審判を、とか急に言われても、何を勝手なこと言うとんねんという話ではあります。

まあまあ、とは言えですね、選挙というのは少なくとも民主主義を信じるのであれば、非常に有効な方策だったりします。何やねん、腹立つわー、この忙しい時期に、ってのもよく分かりますけども、毎週あるわけではないのでね。下手すると4年に1回ですよ。色々思うところはありますけどね、まあせっかくなんで投票行っとく?的なね。そんなんで良いと思うんですよ。選挙って機会がなかったら政治のこととか考えないですからね、ぼくらは。本当、せっかくだから、って感じで。

そんなところで思うんですけども。選挙って、特にここ最近は、行く人と行かない人ってすごい分かれてる感じがあって。行く人は良いんですよ。行くからね。でも選挙に行かない人って、そもそも一度も行ってないって人がたぶん大多数で、それはどうなんだろうと思うわけです。投票は権利じゃなくて義務だとかね、逆に義務じゃなくて権利だとか、なんかうるせえって感じじゃないですか。そんなんで選挙に行く人って最初から行ってるでしょ。

というわけでこの記事は、選挙に一度も行ったことのない人のために書かれています。これは選挙に一度も行ったことのない人のための、選挙及び投票マニュアルです。

投票するためには何をすれば良いの?

ぼくは実はここが一番大事なことだと思っていて、全ての民放と公共放送はこの基本の投票の仕方を分かりやすく放送したほうが良いです。怖いじゃん、なんか、選挙とかって。特に初めてなら尚更ですよ。しかもこれ学校で教わった記憶もないですし。二十歳超えたらいきなり変な封書を送りつけられて、義務だとか権利だとかね、勝手すぎるでしょそんなの。もっと分かり易く伝えてほしいですよ、選挙のやり方とか、すごい基本的なことを。

まあでも、ぼくたちにはインターネットという便利なものがあるので、心配しなくて大丈夫です。ここの東京都選挙管理委員会のページを確認しておけば問題ないです。基本的には選挙の日が近づくと、ご自宅に投票所入場券が届くので、それを読めば大体分かります。もし仮に投票所入場券が届かなかった場合でも、最寄りの投票所に行けば大体何とかなります。自分も一度投票所入場券を紛失してしまったことがありましたが、投票所の人に言えば普通に投票出来ました。それはそれでザルだなとも思いましたが、まあそういうものです。安心して投票所に行きましょう。

これと言って持っていかなければいけないものなどはありません。着の身着のままで大丈夫です。とは言え経験者から言わせてもらうと、投票した後のやったった感というか、どこかスッキリした感じは気持ち良いので、一度は選挙に行くことをオススメします。初詣に行く感覚に近いかもしれないですね。これは行かなければ分からないので、気が向いたら選挙に行くのも楽しいと思いますよ。その後の選挙特番も我がごととして楽しめるって利点もあるので。

投票したい人や政党がない場合はどうすれば良いの?

選挙に行かない理由でいちばん多いのがこれじゃないかと思うんですけど、ここは正直、選挙に行ったことがある人とそうでない人とで理解度の差があるんじゃないでしょうか。ただこれだけは言わせてください。選挙に行く人っていうのは、その大多数がそもそも、投票したい人や政党がないのに投票しています。この感覚は、どうしても選挙に行ったことがある人でないと理解できないかもしれないのですが。

選挙に行く人は、別に選挙に行きたいから行っているわけではありません。この人を支持したいって人が誰もいない場合も多々あります。それでもやっぱり、こいつには当選してほしくないなとか、この党がこれ以上数字持ったらやばいなとか、そういう消極的な理由で票を投じることは多い。ぼくなんかは大抵そうです。自分が支持する人や政党が勝つことはほとんどないんだけど、カウンターとしてのある程度の力や実績を持つために、死に票って分かりながらも票を投じることは多いわけです。その投票行動は消極的でありながらも、やっぱり意味と意義はあります。というかまあ、少なくともぼくはそう信じているということですが。

特に今回の衆院選に関しては、まあどう考えても野党が政権を握るっていうのはあり得ないわけで、現在の与党にどれだけの議席を与えて良いものか、ってのが勘所です。そういう選挙です。なので、消極的な投票行動であったとしても、特に比例では少なからず意味を持つでしょう。選挙なんて、行きたくて行ってるわけじゃないんですよ。こんな長い文章なんて書きたくないわけです。誰からもお金貰ってないのに。でもたぶん、選挙に興味のない人が、一票を投じるきっかけになれば良いし、そういった世界をぼくは望んでいます。

投票する人や政党はどうやって決めれば良いの?

それこそインターネットの出番だと思うのですが、拾えば拾うほど色んなものが出てきちゃうので、「毎日新聞ボートマッチ えらぼーと」でぼくは充分だと思います。アンケートに答えるだけでどこに投票すれば良いかが分かるので、これで出てきたところに投票すれば良いのではないでしょうか。もっと詳しいことを知りたい方は、各自調査で。

そもそも、選挙には行ったほうが良いの?

結論から言うと、選挙には行ったほうが良いです。選挙というのは支持する人や政党に票を投じるという意味に加えて、それ以前に、票を投じたかどうかが数字として計測されます。つまり選挙があって投票に行かないという行為は、誰にも投票しないという事実とともに、選挙に行かない人としての一票を強引に強制されるものでもあります。それは実は、どの泡沫候補に投票するよりも、うまく使われてしまう一票になります。

「国民の政治離れ」っていうのは、分かり易いフレーズですが、いかにも短絡的すぎます。それを拒絶するためには、まあ色々方策はあるにせよ、デモとか面倒くさいでしょ? 拒否反応もあるでしょう、それは。でも選挙に行って、一票を投じれば「国民の政治離れ」っていうくだらないカテゴライズからは逃避することが出来ます。投票率が下がる一方だと、まあまあ言っちゃえば投票する人にだけ優遇されるような国になるわけで、何はなくとも選挙には行っといたほうが良いと思います。若者の投票率が上がるだけで、わりと色んなことは変わったりするはずなので。その景色は、誰も見たことがないけど、思いのほか近くにある未来なんじゃないでしょうか。

白票を入れるっていう選択肢はどうなの?

分からなくはないのですが、時と場合によります。白票が意味を持つ場合もあり得るとは思いますが、それはあくまでも「白票層」が与党に対してインパクトを与える程度の数字を持った場合に限ります。少なくとも2014年12月現在、その機運は感じないので、たぶんあんまり意味はないです。特に今回の選挙は政権与党対野党って具合なので、白票は完全に無視されるんじゃないでしょうか。

まあ、言ってしまえば、白票の多さとか投票率を気にするなんてのは、負けた野党の言い訳に過ぎないです。勝てば官軍、負ければ賊軍なんてのは、当たり前の話で。勝ちをおさめた官軍が、白票の数字なんて気にするわけはない。少なくとも今回の選挙に関しては、どこが勝つかはもう分かってるわけで、そこで白票を投じる意味はあんまり意味がないんじゃないかと思います。

というわけでこの記事を読んだ、一度も選挙に行ったことのない方が、選挙に足を運んでくれれば良いなと思っています。投開票日は、12月14日、日曜日です。