エンタの神様

親指かくしちゃいましょう

ダメですよ、ゴルフ場の池で行水なんかしちゃぁ

 上は友近、下は青木さやかの、ネタ中におけるいわゆる笑いどころである。友近はクラス替え会議をする教師に扮し、ヤンキーばかりが振り当てられた担任教師に向かって「御愁傷様です」と言い、周囲に向かって上記の提案をする。一方青木さやかはゴルフのキャディに扮し、おそらくは痴呆であると思われる老人に対して上記の発言をする。ここで友近と青木の立場は本質的に異なる。友近はあくまでもボケであり、青木の立場はツッコミである。

 別の言い方をすれば青木の方法論とは「もしもシリーズ」である、とも言えるだろう。客である我々に見えない部分でいくつかの「もしも」をちりばめ、それをいくつかのツッコミで伝えるという手法である。一方友近の場合、確かにその世界に「もしも」はあるのだが(そもそも設定自体、我々に親和性はあるがあくまでも「もしも」の話である)、友近はその「もしも」を重用視しない。その瑣末な違いを大胆に切り捨てた上で世界に入り込み、手法として用いるのは「あるある」である。教師はこういうしょうむないことを言いそう、あるある、という笑いがその本質であるように思う。

 だが問題は、なぜ「あるある」が笑いを生むのかということであって、そこに答えを見いだすことは未だ出来ない。