女王の教室第二回

女王の教室」の面白さがちょっと尋常じゃないことになっている。テレビドラマを見てこんなにも面白い!と思ったのは「羅刹の家」(主人公が電話の前で「電話がかかってくるわ!」と叫んだら本当に電話がかかってくるような常軌を逸したドラマ)以来だが、「女王の教室」はそういう風にシニカルな意味ではなく極めてまっとうに面白い! シャバイ!

 放送第二回である今回の肝は「親が乗り込んでくる」「暴漢対策」「由介のバックボーンが明かされる」の三本でありいずれもはらはらさせて素晴らしい。親が乗り込んできた際に一人ずつ話を聞くという阿久津先生の悪魔ぶりはアカギのようだし、徐々に生徒たちの自由度というか選択肢の幅が狭まる様子は「漂流教室」にも通じる。先生に見つからず教室に入れるか?というシーンで心をどきどきさせられるのは初めての経験であった。

 しかしながらやはりなんと言っても今回は由介が一方的に阿久津先生から罵倒されるシーンに尽きる。「お前は親がクズだからクズ」ということをここまでストレートに直接言うということ自体が単純にすごいし、またそれぞれの演技が素晴らしい。特に志田未来さんは天才である。「怒り」「悲しみ」「情け」という感情をどろどろに混ぜたにも関わらずあんなに美しい涙を流せる子供と同時期に生きていることを、私は心から誇りに思う。

「先生は、知らないでしょ?」

 って言葉から始まる長台詞は「愛」という概念を正しく伝えた表現として、日本テレビ史上に残る名演だった。優しいよ! 志田さんはとても優しいよ! あとその前の方のシーンで由介が「阿久津先生をとっちめるために後ろから石を投げよう」と言ったときに志田さんが放った

「ダメだよ! そんな卑怯なこと」

 って台詞も素晴らしいと思った。この台詞だけで志田さんの「優しさは正義に優先する」って哲学が伝わってくる。というわけで「女王の教室」は本当にすごい。番組ホームページでは現在クラス全員の顔と名前が表記されていて、これから生徒側の色んな関係性とか立ち位置が変わってくることは確実であり(すでに一人阿久津に取り込まれつつある)、真剣に楽しみ。あと夏帆さんの可愛さっぷりは言葉を超えている。あんな娘が欲しい。