大きな愛でもてなして

http://www.youtube.com/watch?v=4Y2KkMbM0O0

 ここにはポップがあって、フリーダムがあって、だから命に必要なものが全てある。命に必要なものなんてポップとフリーダムぐらいだからだ。ラブもピースも本当は余計で、ポップとフリーダムがあれば命は成立する。小さな窓の中でくるくると動く命たちだ、命としか言えないものがその窓の中で光っていて、とにかくぼくは涙を必死でこらえていた。これで感情が激さないなんてどうかしてる。

 アイドルなんて好きになりたくなかったし、今になってもいつだって自分の感情を疑っているが、明らかに本物の命を見せられてオーイェーオーイェーしないなんて嘘だ。人類の歴史上、たぶん一番ポップでフリーダムな命を見ている。というか見せられている。単調なリズムと単調なメロディと単調なダンスとつんく♂の鬱陶しいボイス、混じり合う命が真っ当にリアルなものとして現れる。朝になって太陽が昇るのと同じように、ただ当たり前に、命が顔を出す。リズムとつんく♂の声に照らされている。

 いつか消えてしまう儚さを楽しんでいるわけじゃなくて、単に命が命であることの歓びなのだし、好きだとか愛だとか言うつもりはなく、単にオーイェーオーイェーしているのだ。赤ん坊が泣くのと同じ感じで泣けてしまう。一番いらないものなのに、一番必要なものだ。ぼくのからだが太陽の光を浴びて溶けてしまったとしても、溶けたからだの隙間からはこの曲が、このダンスが流れていけば良い。それだけで、生まれてきた甲斐があるというものなのだ。