「みっつ数えろ」各話紹介

 有料メールマガジン水道橋博士のメルマ旬報」にて「みっつ数えろ」という作品を連載しています。ざっくり言うと「女子高生がプロレス部を設立しようとするが学校から却下され、その代わりに演劇部を設立して演劇だと言い張りながらプロレスを行う」というお話のマンガ原作です。ご購読はどうぞこちらのページから。

 何だかんだとわりと長い連載になってしまったため、このページでは、これまでに連載された各話の簡単な紹介を掲載します。途中から読んでくださる方などは、参考にしていただければと。よろしくお願いします。

<第一戦『Flying Body Press』+前書き>

 日々野瞳、校庭裏で野良猫のガオに魚肉ソーセージをあげている際、ボディプレスの練習をしている暁星(あけぼし)あゆみが空から落ちてきて、激突されて気絶。瞳は(当時)新聞部。定例部活動報告会にて、生徒会長の源五郎丸めぐみ(若干高校一年生)から、校内向けの新聞部数の低下を叱責される。舞台となる宮前女子高等学校は、日本有数の巨大ホールディングスである「GGRホールディングス」の所有物であり、源五郎丸めぐみはその会長の孫娘。学園の部活動自体が、利益を出すことが求められている。瞳は野良猫のガオに誘われる形で、神社へ。「演劇部」としてプロレスの練習をしている、暁星あゆみ、白百合めぐみと出会う。

<第二戦『片エビ固め』>

 瞳は、同学年の新聞部の部員から強制され、部活動コラムを埋めるため、あゆみとめぐみのもとに再び赴く。瞳、誘われるがままに、実際にあゆみとプロレスの試合を行い、あゆみからスリーカウントを取らせてもらう。瞳、感動をおぼえ、プロレスの魅力を初めて知る。

<第二・五戦『喫茶店トーク』>

 インターバル回。あゆみの実家は「もんじゃ喫茶アイ」というもんじゃ焼き屋。あゆみが喫茶店トークをしたいがために、もんじゃ喫茶という形態にしてもらった。

<第三戦『弓矢固め』>

 瞳にプロレスの映像や雑誌を見せるために、一同、みやびの実家へ。そこには「白百合レスリング道場」という看板。みやびの父親は、「シラユリ」という伝説的なプロレスラーで、今はケガのため長期療養中で車椅子の生活を送っているが、近所の子どもたちにレスリングの楽しさを教えて暮らしている。

<第四戦『流星キック』>

 シラユリ選手の必殺技は「シラユリ・アロー」。プロレスが好きすぎて、常に笑ってしまいながら試合を行うという選手だった。瞳たち、みやびがいない隙に、みやびの昔の写真アルバムを見つけるが、その写真でみやびは一切笑っていない。みやびは感情を表に出すのが苦手な子だった。だがあゆみのおかげで、父親であるシラユリ選手に対しても、声を出して応援することが出来るようになったのだった。みやび、部屋に帰ってきて、勝手に写真アルバムを見られたことに対して怒り、あゆみとプロレスで勝負をすることに。

<第五戦『ファルコン・アロー』>

 あゆみとみやび、プロレスで対決。レフェリーはみやびの父親であるシラユリ選手。シラユリ選手が試合でケガをした当時の回想。みやびは「プロレスなんて八百長だろ」とクラスメイトからバカにされていた。シラユリ選手は地方でタイトルマッチ、挑戦者として挑むが、試合中にケガをして病院へ。みやびは母親とともに病院へ急ぐ。大けがをしたシラユリ選手は、娘であるみやびに「それでもプロレスは楽しい」と笑顔で伝える。その日を境に、みやびは髪を切り、活発な女の子に。「プロレスは楽しい」ということを自らの意志によって周囲に伝えられるようになる。

<第五・五戦『喫茶店トーク』>

 インターバル回。あゆみとみやびの選手名鑑が完成。

<第六戦『アックスボンバー』>

 プロレスの練習。若手がよくやる、トップレスラーを入場させるときのロープの押し上げでトレーニング。回想で、あゆみとみやびが「プロレス部」の申請をしたときの模様。「危険すぎる」という理由で生徒会長の源五郎丸めぐみから拒否されるが、みやびは知恵を絞り、「演劇部」としての部活動設立を持ちかける。めぐみ、了承しかけるが、部活動設立の条件である「部員は4名以上」の条件を成していなかったため、部活動申請は却下。が、めぐみはその決意に考えるところがあり、部活動設立申請書に「要検討」の判を押す。

<第七戦『トラース・キック』>

 プロレスの練習。マネキンを観客と見立てて、場外乱闘の際にお客さんを守るトレーニング。生徒会長、源五郎丸めぐみの実家。めぐみには二人の姉がいて、どちらも優秀、源五郎丸家の中ではめぐみが一番の出来損ない。めぐみ、姉たちから叱責されるが、秘書である西園寺の無言のエールにより、いつもの高飛車な人間として復活する。

<第八戦『ボマイェ』>

 2013年の「ネットプロレス大賞」、「みっつ数えろ」的な結果発表の前編。

<第九戦『マッスルスタンプ』>

 2013年の「ネットプロレス大賞」、「みっつ数えろ」的な結果発表の後編。

<第十戦『カレリンズ・リフト』>

 部活動の設立を源五郎丸めぐみに承認させるため、めぐみの弱みを握ろうと、あゆみとみやび、昔からの知り合いである坂井玲(夕刊紙「夕刊ブシ」プロレス担当記者)を招聘し、調査してもらう。その調査によると、めぐみはかつてアマチュアレスリングの優秀な選手だったが、覆面姿の何者かに襲撃されて敗北、その過去を恥として、ひた隠しにしていることが明らかになる。が、よくよく聞いてみると、その覆面姿の何者かは、あゆみ本人であることが判明。

<番外編『私の愛した&愛するプロレス』>

 配信当日が「メルマ旬報フェス」当日だったため、この回は番外編として、著者がプロレスの魅力を語るという回。

<第十一戦『ナックルパート』>

 あゆみは「プロレスを好きになってもらいたい」という理由で、源五郎丸めぐみを自分たちの部活に勧誘するという案を提案する。みやびはそれを聞き、オーナーが現場に介入することに対して否定的なため、その案を却下。あゆみとみやび、互いに折れず、その日の昼休みにプロレスで勝負をつけようという形で落ち着く。「夕刊ブシ」記者の玲との会話により、瞳の特性が明らかになる。空気を読む性質なので、次に何が起こるかが分かってしまうという資質。普段かけているメガネは伊達メガネで、視力は非常に良い。など。そして昼休みへ。

<第十二戦『アイアンフィンガー・フロム・ヘル』>

 あゆみとみやびが昼休みにプロレスで決着をつける。玲が見届け人として呼んだ生徒会長のめぐみも見守りながら、試合が行われる。瞳はセコンド兼スチールカメラマン。試合が行われ、最終的にみやびがあゆみをパイプイスで殴りつける。その直後、みやびはパイプイスをめぐみに渡し、瞳が撮影。パイプイスを持っためぐみとそのそばで倒れているあゆみ、という写真が手に入る。それをネタにしてみやびを脅そうとする一同だったが、めぐみの執事でありプロレスファンでもある西園寺の提案により、一週間後に改めてめぐみがプロレスの試合を行い、めぐみが負けたら部員になるということに。

<第十三戦『TKO34th』>

 太陽ケア選手が全日本プロレスからW-1に移籍してしまったため、嘆く一同。西園寺が観客の必要性、観客としての矜持を語り、立ち直る。


<第十四戦『アルティメット・ベノムアーム』>

 めぐみの対戦相手を綱引きで決める。その結果、『演劇部』を代表して戦うのは、プロレス&格闘技経験がほとんどない、日々野瞳に決定する。

<第十五戦『セーバーチョップ』>

 試合に向けて特訓する瞳。弱音を吐くが、我闘雲舞さくらえみ選手の話題に。「プロレスはすごい、って信じてるから、それを嘘にしたくないから、プロレスラーはすごいことが出来ちゃう」という玲の言葉を聞いて、瞳は励まされる。

<第十六戦『野良犬ハイキック』>

 めぐみとの試合のルールは、瞳に一任されることに。あゆみの「プロレスっていうのは、その人のそれまでの人生をリングで表現するってことなの。だから、瞳ちゃんが勝てそうなルールっていうのはたぶん、瞳ちゃんが人間としてどういう良いところがあるのか、って、そういうことになるんじゃないかな?」という言葉を受け、瞳は考える。そしてルールは、「時間無制限一本勝負。KO決着なし。ギブアップ決着なし。反則決着なし。この試合の決着は、スリーカウントフォールのみとする」ということに。瞳は「第二戦」であゆみからスリーカウントを取ったときに感じたプロレスの素敵さをめぐみに伝えるために、スリーカウントフォール限定マッチというルールを選択した。

<第十七戦『スリーカウント』>

 瞳とめぐみのシングルマッチ。大勢の観客が集まる中ゴングが鳴る。ほとんど経験のない瞳に対して、格闘技経験豊富なめぐみは一方的に攻める。何度も立ち上がる瞳だったが、ついに心が折れ、涙を流しながらめぐみに向かってスリーカウントを取ってくれと懇願する。めぐみ、密かな期待を裏切られ悔しい気持ちで瞳からスリーカウントを取ろうとするが、これは瞳の作戦だった。めぐみの勝利の瞬間の直前、瞳は体を引っくり返してめぐみの両肩をマットにつけ、3秒間に自分の人生の全てを懸ける。意表をつかれためぐみ、返せない。3分33秒、片エビ固めにより瞳の勝利。人前で負けたことのないめぐみは恥ずかしさと怯えでうつむくが、大勢の観客からの「良い試合だったぞー!」という敗者に対するエールを聞き、顔を上げる。約束通り、彼女たちの仲間になることをリング上で表明する。かくして暁星あゆみ、白百合みやび、日々野瞳、源五郎丸めぐみという4人の一年生によって、宮前女子高等学校に、プロレスしかしない『演劇部』が旗揚げされる。

 ……というようなところで、現在も連載は続いています。まだ「水道橋博士のメルマ旬報」読んでおられない方で「みっつ数えろ」に興味を持っていただいたなら、ご購読はどうぞこちらのページから。ほかの連載も豪華なので、お薦めです。