「みんなのマンガアワード2010」のおしらせ

 というわけで2010年12月15日、青少年健全育成条例の改正案が東京都議会本会議にて可決、成立致しました。マンガを愛する皆様、本当にお疲れさまでした。
 ぼくは一人のマンガ好きとしてこの改正案には最初から最後まで反対という立場であり、改正案成立は悲しむべきことかもしれません。でも別に、これでマンガが終わったわけではない。マンガの邪魔をするどんな悪者がいたとしても、面白いマンガを書こうとするマンガ家の方々がいて、面白いマンガを届けようとするマンガ出版社やマンガ業界で働く方々がいて、そして面白いマンガを読みたいと願うマンガ好きの読者がいる限り、マンガはずっと生き続ける。ぼくは今まで、ずっとマンガが好きでした。そして今日からも、昨日までと同じように、ずっとマンガが好きなのです。
 それにしてもまあしかし、ここ数週間はマンガ好きにとってはきつい日々だったことと思われます。条例成立の進捗に気を揉んだり、馴れない陳情書なんて書いてみたり、マンガをろくに読んだことがない公人による上から目線のご高説をたまわったり、年末進行で忙しいマンガ家の皆さんが悲しんでる姿が見受けられたり、何より、大好きなマンガのために嫌な気分を味わったり腹を立てたり、真顔になったりしなきゃいけないのは本当に辛かった。マンガって、そんなんじゃないのに。どんなに辛い現実を送っていても、笑顔になったり興奮したり感激したり、そういうのがマンガなのに。今回の改正案を巡る全ての出来事は、ぼくらが大好きな「マンガ」からは最もかけ離れたものだったと思います。
 それでもぼくらはマンガが好きです。マンガを読むのが好きで、マンガについて語るのが好きで、マンガについての語りを読むのが好きです。だとしたら、今回の改正案をめぐるあれこれで真顔になったぶんだけ、マンガで笑顔にならないと嘘だと思うんです。馬鹿げた規制からマンガを守ることは大事なことです。でもたぶんそれと同じくらい、マンガと一緒になって遊ぶことも、やっぱり大事なことだとぼくは信じています。
 長くなりましたが、以上を前文と致しまして「みんなのマンガアワード2010」を開催したいと思います。2010年、自分が読んだ面白かったマンガについて語り合おう&読み合おう! そんでせっかくなんで集計して順位づけもしちゃいますか、というような試みです。みんなが面白かったマンガ、教え合ったらええやないの! 我々みんな、マンガが大好きなんやから。せやろ?