矢口真里さんに関して

 相沢はモーニング娘。が好きなのではなくメロン記念日が好きだ。勿論モーニング娘。は嫌いではないが、しかし好きなのかと問われたら、どうだろう、まあ好きと言えば好きだ、ぐらいのことしか言えない。だがメロン記念日は好きかと問われたら気持ち悪い顔で大きく首を縦に振る相沢なので、今回の矢口真里さんがもしも柴田さんや大谷さんや村田さんや斉藤さんだったら、と想像してみたら納得のいこうはずもないし、きっとこんなところで日記なんか書かず、事務所あての手紙を書くなどしてもっと実効的な手段を取るだろう。

 今回の事件を耳にして実際に行動するかどうかという点が、おそらく「モーヲタ」と「推しメン派」を分かつものとなるだろう。モーニング娘。を愛しているというのならば、矢口さんの「辞めさせて下さい。」という言葉を(それが実際に矢口さんの口から放たれたかどうかも分からないにしたって)黙って聞いているというのは、やはり違うだろう。苦悶など、何の役にも立たない。涙なんて流している場合ではない。それはただの馬鹿だ。「矢口さんにも矢口さんの考えがあるだろうから」? 狂ってる。そんな悠長な事態ではないだろう。体中にダイナマイトを巻き付けて事務所に飛び込んだっていいから、矢口さんの決断を思いとどまらせるべきだ。絶対に。

 なぜってこんな騒動で矢口さんがモーニング娘。を辞めてしまっては、確実に近い将来、矢口さんがそのことを後悔するに決まっているからだ。「アイドル」としての責任を取ってなにがしかの行動を取る、というのはまあ、分からないではない。そこに関しても色々と問題はあるにせよ、それ自体は認めたっていい。だが今回の決断は、あまりにも、やはり早すぎる。モーニング娘。をやめるという決断は、そんなにあっという間に結論が出ていい話ではないのだ。スクープされたのがいつにせよ、その報せを聞いてから今日までに一年も二年もかかったとは思えない。おそらく一週間あるかないだろう。ひょっとしたら数日かもしれない。そんな短い期間に、モーニング娘。をやめるという大きな決断なんて絶対になされるべきではない。これは矢口さんだけにとって大きな決断などではなく、モーニング娘。、ひいてはハロープロジェクト全体にわたって大きな決断なのだから。

 百歩も千歩も譲って、突発的にぜんぶ辞める、というのならばまた話は別だ。だとすれば我々は、ああそんなもんかね、と諦めて失笑すればいい。しかし、ソロ活動は行なうと。どういうことだ。「タレントとしての能力には大きな可能性が見えます。」とかそういう問題ではないだろう。そのなあなあな感じは何だ。その、決断における意志のなさはどういうことだ。それは絶対に間違っている。モーニング娘。を辞める辞めないという決断は、絶対に、どう考えても、正しく強い意志によってなされるべきだ。そして今回の決断には、正しく強い意志なんてまるでない。だったらモーニング娘。愛する人々は今すぐにでも立ち上がって、矢口さんの決断を、あるいは事務所の怠慢を止めるために動くべきだ。少なくとも「もうちょっと考えてください」とは直接顔を見て言わなくてはならないだろう。こんな日記なんて読んでないで、今すぐにでもUFAの門を叩きに行くべきだ。

 これはハロープロジェクトと全てのヲタに関する大問題だ。何故ならこの矢口さんの脱退は、ハロープロジェクトの定義それ自体に関わる問題なのだから。ハロープロジェクトの定義。それは「全ての決断は女の子の強い意志、あるいはつんく♂の気まぐれによってなされる」という定義だ。その定義がおびやかされようとしている今なのだから、モーヲタを自称するのであれば、絶対に、実際に動かなくてはいけない。事務所への襲撃であっても、デモ行進であっても構わない。だが今回の事件で動くか動かないかという点は、間違いなく今後の「あなた」を大きく左右するものだろう。

 斉藤さんが、フライデーにスクープされたとする。それも「恋人がいた」とかいう生易しいものではなく「川崎のピンサロで週に4回働いていた」「しかもその源氏名は『メロンちゃん』であった」などという事実がスクープされたとする。そしてそのことで斉藤さんが「辞める」などと言い出したら、やはり相沢は日記など書いてはいないだろう。実際に、行動として脱退の拒否を示さなくてはならない。今回の問題は全てのモーヲタにとって、しょうがないよね、などと話されるべきではないし、どうしてやめちゃうの、などと愚痴をこぼされるべきものでもない。そうではなく、矢口さんの脱退とは、正しいモーヲタの手によって止められるべき話だ。こんな曖昧な決断は、絶対に許されるべきじゃない。

 いつまで搾取されてるつもりなんだ。